信田さんのニュージーランド学校紀行に寄せて

 豊田市でTao Hausという新しい学び場の活動をしておられる信田雄一郎さんが、いままさにニュージーランドで学校めぐりをしていらっしゃいます。8月6日の投稿を読んで、日本の公教育とは、そもそもの思想が違うなぁ、子ども達も、そこで働くスタッフもうらやましいなぁと思いました。

☆学校は9時スタートの15時放課。9時スタートなら、8時から勤務開始しても授業準備が1時間取れます。
 日本では8時20分ころから朝自習がスタートします。教員は8時20分ころ勤務開始ですが、8時10分には朝の健康観察があるので実質勤務開始前から仕事がスタート。授業準備の時間はありません。

☆10時にスナックタイム、11時から20分休み:1時間に1回はゆったりリフレッシュTimeがあるのですね。

☆宿題、部活、塾なし:放課後たっぷりとやりたいことに時間が使えますね。
 日本では自由な時間は時間の無駄遣いのような考え方が根付いちゃってますね。あるとき自分のクラスの子ども一人ずつと面談した時に、何をしているときが一番すきかと尋ねると元気のいい5年生の男子が何人も「寝ているとき」と答えたのに驚きました。そういう時代なのか?今の子ども達は、疲れてるんだなぁと感じました。

☆教室内通貨の発行:ゆとりがあるばっかりじゃない、ICTも金融教育も進んでいるんですね。ローカル通貨の活用は、子どもの起業家教育やモチベーションUPにも大変効果的。

 20世紀初頭アメリカでホーマーレーンという教育者がフォードリパブリックという少年犯罪者の矯正教育施設で大胆な自治の実践を成功させました。その中で導入されたのが施設内通貨の発行です。施設内で金融経済システムを回すことによって、犯罪を犯すような少年たちが主体的に自治システムを運営し、更生していったのです。のちにレーンはイギリスに招聘され、矯正教育施設リトル・コモンウェルスの運営を任されます。あまり知られていませんが、この実践をモデルとして設立されたのが、あのサマーヒルスクールなのです。

 ニュージーランドには有名なシュタイナースクールもありますが、ここに書かれているのは、なにも特別な学校ではない、普通の学校。最後の校長先生の言葉がすべてを物語ってますね。
「学習よりも、幸せを優先している」
 民主的なマインドが学校だけじゃない国中に浸透しているということを表しているのだと思いました。学校は社会の鏡だから。以下は信田さんの投稿原文です。

 ニュージーランドの小学校(5-13歳)での体験も1週間が経ち、楽しく余裕のある生活をしています。
 学校は9時スタートで14時55分には下校です。10時にスナックタイムがあり、栄養補給(好きなお菓子や果物、パンなど持ってきて食べます)をします。11時からは20分遊んで、10分のスナックタイム。13時からは30分遊んだ後にランチです。
 しかも、授業中にもいきなり、「ブレイクタイムです!外に行って10分身体を動かしましょう!」と言って、遊んだり。部活も宿題も塾もありません。
 とにかく子どもたちには余裕があり、元気です。皆、疲れていない。日本の子どもたちは疲れ過ぎです。先生も元気で余裕があります。先生たちもスナックタイムには(日本で言う)職員室でケーキを食べたり、コーヒーを飲んだりして雑談をしています。
 加えて、ICTの活用は日本より進んでいて、金融教育として、教室内通貨の運用がされています。学級で仕事をしたりするとお金がもらえます。稼いだ額によって、税金も払わなければなりません。
 私は「その管理どうするんですか?先生大変じゃないですか?」と聞くと、「その管理も生徒がやっていて、その仕事はたくさんお金がもらえるんだ」と子どもが教えてくれました。このオンラインシステムと学級での活動が結びついているのは、とても素晴らしいと思いました。こういったことが学べる環境に5歳から飛び込めるのは、日本とは、その点で大きく違います。
 とにかく、ワクワクすることばかりです。高校にも行きましたが、「学習よりも、幸せを優先している」と、校長先生はおっしゃっていました。

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